絶対力

絶対力
ライセンスまであと半年。
秋に入学した先輩達の受験が終わり、これまで回ってこなかったプードルが当たるようになってきた。

しかし、半年ってながい。
いつもロッカーの近くにいる隣のクラスのUさんが、「なんかテンションあがらない。辞めちゃおうかな」と言い出したのは最近のことだ。

夏休みが終わって折り返し地点のところで、ふと気がぬけちゃったのかな。

私も朝学校に行くのに起きるのが辛かったりする。

そんな心配をしていたところ、今日は同じクラスのよくペアになる子が、「休学しようかな」といいはじめた。

休学したら、もう一回戻ってくるのは大変だと思うと説得するも、けっこう本人は本気で考えているようす。
将来についても悲観的になっているようで、完全にテンションが下がりまくっている。

私ではどうにもならない。

先生にいいつけるようでどうかと思ったが、先生がやってきた時、それとなくもちかけてみる。

「先生、、Oさんのテンションが低いんです。。」

先生「なんで?なんでもいってごらん。」

Oさんが休学したいという話をすると、「ちょっと来なさい」と先生はいきなり彼女の手首をつかみ、実習室の端っこへ連れていってしまった。

うわぁ…。

かなり長い時間、二人は帰ってこなかった。

いったい先生は決心の固い彼女をどう説得しているのだろう。

と、やっと戻ってきた。
先生はこう言った。

「とにかく学校に来なさい。朝起きたら、学校に行くことだけを考える。他は考えなくていいの!そんなに頭良くないんだから。」

予想の範疇を超える言葉にポカンとなってしまった。

「やるか、やらないかじゃないの!やるの!私のそばにいるかぎり。」

だそうだ。

どう説得するのかと思っていたら命令だった…
(さすが鬼軍曹…いや冗談です(汗)

でも意外と友達はその後明るかったような気がする。
自分の中途半端な説得なんかより、よほど響くものがあったのかもしれない。

隣のクラスのUさんもその後、続けるというメールが来た。

先のことなんか、考え過ぎないほうがいいのかも。
あと半年、なんとか頑張るぞ〜!

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